「わおん札幌」開設までの経過と開設の目的

代表の一木は、元々小児科医で、現在は在宅診療の医師として働いていますが、仕事柄、障害者医療に長く携わってきました。障害者の方々の居場所がなく苦しむ方、両親が高齢となってきて子供たちの将来を心配している方、精神科の病院からもうこれ以上の治療はないからと訪問診療に切り替わった方、周辺の無理解で苦しむ発達障害の方々。多くの方々と接して、そういった方々が安心して生活できる「居場所」の重要性をひしひしと感じてきました。

そのようなときにたまたま講演会でペット共生型グループホーム「わおん」というものを知りました。精神科の長期入院問題がある中で、なかなか退院先としてグループホーム が量、質とも整備されていないという状況、また殺処分される犬、猫が多く、年間50000頭近くの犬や猫が殺処分されているという現実を聞きました。

そのお話を聞いて、そういった方々が安心して過ごせて、自立へとつながる理想的なグループホームを開設したいと強く思うようになりました。まさにペット共生により理想的な「居場所」を創ることがで きるのではないか、そう思いました。

自分も子供の時、そして現在も犬を飼っていて、子供の時は猫も飼っていたことがあり、ペットの癒し効果というのは実感していました。

ペットが私たちに与えてくれるそのすごい効果を利用して、障害者の自立支援をしていき、かつ殺処分されててしまう保護犬、保護猫を預かって助けていくという「わおん」のコンセプトに非常に心を惹かれました。

色々と開設準備は大変でしたが、なんとか令和2年2月1日に無事開設することができました。白石区本通(男性棟定員5名)と豊平区西岡(女性棟定員4名)の2カ所から開始です。まだまだ小さなホームで、社会に与えるインパクトはゼロに等しいかもしれませんが、少しでも居場所がなく苦しんでいる方々の助けになるために職員みんなでがんばっていきます。

以前教会の牧師さんが悲しそうに、「この世の中は使い捨ての世の中ですね」とおっしゃっていたことを覚えています。会社はその人がどのような仕事ができるかどうかに関心があって、その人がその仕事をできなくなったら、もう用はないので捨ててしまう、そんな冷たい社会になっていると。

でも神様はその人自身を見ています。何ができるとかそういうことは問題ではないのです。その人自身の「存在」に価値を見出しそして愛してくれているのだと。

聖書に「あなたは高価で尊い、私はあなたを愛している」(イザヤ43;4)

という言葉があります。まさに神様はその人自身をみて、「あなたは高価で尊い」とおっしゃっています。そして、その人の価値は「何ができるか​」ではなく、存在そのものにあるのだとおっしゃっています。

現在、障がい者に限らず、多くの方が自分は価値がないと思いがちです。そんな世の中にだんだんなってしまっています。しかし、神様からの目線はまったくちがいます。私たち職員も同じ目線でいつも皆さんに接していきたいと思っています。

いきづらさ、しんどい思いに寄り添い、ささえ、支援していくというわおんの理念はこういうところから来ています。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

​                    代表 一木崇宏